女子テニスで元世界ランク5位の
E・ブシャール(カナダ)は17日に自身のSNSを更新し、27日に開幕するナショナル・バンク・オープン(カナダ/モントリオール、ハード、WTA1000)で現役を引退すると発表した。
31歳のブシャールは2009年にプロに転向。2013年にはWTAニューカマー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人賞)を受賞し注目を集め、翌年の全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)と全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)でベスト4に進出。さらに、ニュルンベルク・オープン(ドイツ/ニュルンベルク、レッド クレー、WTA125K)でツアー初優勝を飾り、その勢いのまま出場したウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)ではカナダ勢女性としては初となる決勝進出を果たした。この快進撃により同年10月には自己最高の世界ランク5位を記録した。
しかし、2015年の全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)では不運なアクシデントに見舞われた。大会中にロッカールーム内にあるタイル張りのマッサージルームで転倒し、脳震盪と頭部外傷を負った。その後は試合の欠場や経済的損失が続き、ブシャールは主催側の過失を理由にニューヨークの連邦地裁に損害賠償を求める訴訟を起こし、2018年に勝訴している。
こうした苦難を乗り越えながらも、長年にわたりカナダテニス界を牽引してきたブシャールの功績は大きく、カナダテニス協会CEOのG・ジウ氏は「彼女ほど、カナダテニス界に深い足跡を残した選手はほとんどいません。モントリオールにあるナショナル・テニス・センターの第一期生として、彼女は多くの人が不可能だと思っていたことを実現してくれました」とコメントを寄せている。
そしてこの日、ブシャールは自身のインスタグラムを更新。「あなたにも『その時』が来るのが分かるはず。私にとって、それは『今』。すべてが始まった場所、モントリオールで終えます」と投稿し、母国開催であるナショナル・バンク・オープンを最後に現役を引退すると発表した。
なお、ナショナル・バンク・オープンにはワイルドカード(主催者推薦)で出場予定。現在ツアー通算299勝299敗の成績を持つブシャールが、現役最後の大会でキャリア通算300勝目を母国の地で飾れるかどうかにも注目が集まっている。同大会は27日に開幕する。
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